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院長あいさつ・プロフィール/ますち歯科診療室 MASUCHI DENTAL CLINIC
増地 裕幸 (O型)
「新しい歯科医療の概念」。。。健口から健康へ
歯科医療者は、お口の領域の専門職とされています。
お口の領域は、身体の一部であり、食物を咀嚼し、消化を開始し、嚥下する役目を負ってます。食物を咀嚼する上では、しっかりとした歯・かみ合わせが必要とされます。
歯科医療は、この分野に大きく特化して、いままで進展してきた面があります。
別に以前より、誤嚥性肺炎や、細菌性心内膜炎などの歯性病巣感染、また最近のトピックでは、糖尿病と歯周病の相互関係が重要視されてきています。
また口腔乾燥の予防や口腔機能の維持向上が、認知症予防や、QOL(生活の質)向上に大きく寄与することが、介護分野では重要視されています。。
かむことは、消化酵素とともに、免疫物質を多量に含む唾液を分泌し、身体の保全にも努めます。それは、脳の血流量の促進にも大きく関係し、子どもたちの学力向上や食育にも携わっています。
一方最近、お口の領域を呼吸器官としての視点で対応しようという動きが出てきています。あいうべ体操、口呼吸から鼻呼吸へ!です。もちろん、お口は「呼吸器」に他ならないのですが、残念ながら、歯科医療がそこに十分に特化してかじ取りをしてきませんでした。
呼吸は、人の生きる根幹ですし、しっかりした気道であるためには、舌の位置、舌が付着している下顎の位置、そして、下顎が適正な位置におさまるには、受け皿としての上顎の大きさに、大きく左右されます。睡眠時無呼吸症候群は、わかりやすい例です。それは、お口の中が狭く、舌が奥に下がることによっても発症します。
上記のそれぞれの位置は、生涯不動ではありません。
加齢や、生活習慣の力によって、様々に変化することを私たちは、日常目の当たりにしています。しっかりした呼吸環境を支援する歯科医療が、いまそこにあると考えています。
また、病巣疾患(炎症)という考え方があります。
最近国内の医師・歯科医師の共同の研究活動も始まっています。
今までの「歯性病巣感染」の考え方は、細菌などが、直接血流に入って、身体の他の部位で悪さを働くというものですが、「病巣疾患」の考え方は、のど、口の慢性炎症が、自律神経のアンバランスを引き起こし、全身の病気を発症させるというものです。
これは、新潟大学医学部教授安保徹先生らの理論をベースに進展しています。
私たちは、お口の領域の問題で、「しっかりした呼吸」と「睡眠の深さ」を妨げないそして「進んだ慢性炎症をそのままにしない」口腔内環境の保全、改善を大切な仕事の一つととらえています。その先には、身体が交感神経優位の体質にならないように考えることが、健口から健康への医療実践の一つと、心にとめています。
所属
十勝歯科医師会 障がい者歯科診療部(平成10~20年度 22年度~)
日本顎咬合学会
床矯正研究会
国際歯周病内科学研究会
日本包括歯科臨床学会(咬合療法研究会)
日本病巣疾患研究会
日本睡眠歯科学会