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あいうべ体操

「あいうべ体操」すすめています

「あいうべ体操」は、福岡市のみらいクリニックで内科医である今井一彰先生が提唱するお口の体操。
この体操はお口の問題だけでなく、顔のむくみなどの不快症状を改善する可能性があります。
口を大きく「あ~」「い~」「う~」「べ~」と動かします。
運動ですから、できるだけ大げさにします。声は小さい方がやりやすいです。

一日最低30セット(「あいうべ」が1セット)やってください。アゴが痛む方は、 「い~」「う~」だけでも大丈夫です。

舌の位置によって、唾液の分泌、歯槽膿漏、虫歯の状態まで変わってきます。口を閉じているときは、必ず舌の位置を意識するようにして下さい。舌の位置が改善されることで、様々な症状が改善していきます。

舌の本来の位置は、上あごにぴたりとついている状態です。舌の先が、前歯の裏に当たっていたり、舌の両側に歯形がついていたりする方は、舌の位置が低下しています。

「あいうべ」体操で、舌の位置を元通りにしていきましょう。早い方で3週間、遅い方でも3ヶ月程度で改善しますから、あきらめずに頑張ってください。


あいうべ体操 やり方&ポイント

  • 口を大きく動かすことを意識する
  • 1つの動作(例:「あ」)を約1秒で。1セット
    (「あ」「い」「う」「べ」)を約4秒かけて行う。
    1セットを10回続けて行う
  • 1日3度に分けて(10回×3=計30回)行うのがお薦め
  • お風呂や就寝前がベスト
  • 声は出さなくてOK、少し声を出して行うとストレッチ効果がアップ

口を大きく開ける。

縦の楕円形に近くなるようにして、のどの奥が見えるくらい口を大きく開ける。

口を横に開ける。

ほおの筋肉が両方の耳の前に寄る感じがするくらいが目安。首に筋が浮き出るくらいに。

口をとがらせる。

思い切り唇を前に突き出すようにする。

「べ~」と舌を伸ばす。

舌の先を舌あごの先端まで伸ばすような気持ちで、舌を出す。

あいうべ体操で「口呼吸」→「鼻呼吸」へ

お口の乾燥は、細菌の増殖による病気の誘発、口臭の発生、そして全身の自律神経にも影響し、他のからだの疾患を引き起こす可能性があります。

口呼吸から鼻呼吸になることで、乾燥していたお口の中が潤い、保湿された状態になります。

また、舌のたるみは顔のたるみに直結するといわれてます。


哺乳類で口呼吸するのは、人間だけ!

呼吸(外呼吸)には、空気を肺に口から取り込む「口呼吸」と鼻から取り込む「鼻呼吸」があります。表面上の違いは、酸素を吸い込む、二酸化炭素を吐き出す呼吸の中で、肺に新鮮な空気を取り込むのに一見その方法が口からなのか鼻からなのかの違いだけに思えるかもしれません。しかしその過程で、大きくからだに及ぼす作用が違うのです。
そこで本題にうつります。

人間に多い病気の発症と口呼吸

哺乳類の中で、口呼吸をしているのは、私たち「人間」だけです。

犬が、舌を出して「ハアハア」しているのは、息をしているのではなく、体温を下げているからで、呼吸とは違います。しかし、人間のみ「言語」を獲得し、言葉を発するようになったので、口と気道がつながり、鼻の代用に口でも呼吸できるようになりました。そうできるために、むせ等が進んだ際、食物や、汚れた唾液を気管に入れて発症する、「誤嚥性肺炎」を引き起こすことにもなっています。このように、ベストな鼻呼吸ができるのに口呼吸を続けるのは、体には本来ならば不自然なことと言えます。

関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など、人間に多い病気の発症と口呼吸の関与も、最近論じられています。

子どもの発達・発育の影響

人間も赤ちゃんの乳児期までは、他の哺乳類と同じように鼻で呼吸をしています。それは、息継ぎをしないで母乳を飲めるのが証拠です。
それが、「あー、う―」としゃべり始めるころに、口呼吸ができるようになります。
発語時期が口呼吸デビューですが、その口呼吸定着化は、空気中の異物の吸い込みリスクの上昇にもつながります。また、鼻呼吸よりも酸素の喚起量は少ないので、子どもの発達・発育に影響は、少なくないと考えられます。

鼻呼吸と口呼吸の差は?

鼻呼吸

空気中には無数のほこりやちりが浮遊しています。その中には、よくないウイルスや化学物質もたくさん含まれています。その有害な物質を吸っても、フィルターを掛けて排除できるのが、鼻呼吸です。
鼻で吸い込んだ空気は、鼻粘膜表面の繊毛と、流れる粘液できれいに濾過されます。そしていらぬものは、鼻水として体外に排出されるシステムです。仮に、そのガードをすりぬけても、口腔から咽頭にかけての扁桃リンパ組織で キャッチされ、痰として排出されます。ここは、異物からからだを守るための最前線基地です。こうしてからだには、防衛線が張られているのです。

温度と湿度について考えてみましょう。

鼻から吸い込んだ空気は、血流豊富な鼻腔組織そして周りにある副鼻腔のおかげで、適度に温められながら十分加湿され、温かく湿った空気が肺の中に送り込まれる仕組みです。鼻腔は、加湿機能付き空気清浄機と言われます。

では口呼吸はどうでしょう?

口から入った空気は、口腔内の水分を奪い取りながら、肺の中へ到着します。その中にはフィルターにかけられない空気中のちりなども含まれていて、場合によってはのどや気管を痛めるおそれがあります。また、空気の加湿が不十分だと、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞の粘膜にもなじみにくく、鼻呼吸に比べると、酸素の摂取量はぐっと少なくなります。つまり鼻呼吸に比べて、肺に負担をかける割には、酸素交換が悪い呼吸となっています。
また、息を吐くときには、口呼吸は鼻呼吸よりも、からだの体温を含んだ二酸化炭素を吐き出すので、体を冷やしてしまうということも問題となります。
口呼吸を継続することが、いかに体に負荷をかけることが理解できます。

口呼吸そして自律神経の関係

不眠やめまい関節リウマチ、花粉症、胃潰瘍、脳梗塞。。。
私たち現代人を苦しめる慢性疾患は、自律神経(意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配している神経)の乱れで起こることが、示唆されています。

のどの渇きによる体のほかの部分の病気

人間は緊張すると、のどが渇きます。

これは、唾液を分泌する唾液腺は、自律神経に支配されていて、交感神経が優位になると、唾液の分泌量が減少し、のどの渇きが起こるということです。。

逆に、口呼吸の継続により、口腔内・のどが渇き、荒れてくると、からだは緊張状態にもなってゆきます。
これは、口腔内の慢性炎症の継続、扁桃腺の炎症、上咽頭粘膜の炎症が、体の免疫反応を過剰亢進し、すなわち、いつも体を頑張らせる交感神経優位の状態を常態化させ、その結果、体のほかの部分の病気を発症すると言う「病巣疾患」の考え方が、いわれてきています。

口がいつもポカンと開いて、口の中が渇いていると、口腔内細菌の増殖、空気中の有害物質の付着などで、口腔、のどの免疫システムに、警戒警報が発令され、そのことで自律神経の乱れを引き起こす流れになります
単に 「くち」が渇いているでは、決してすまされない体のメカニズムが、知らず知らずに働く! ということです。

睡眠時に口呼吸だと 何が起こりますか。。。

眠っている時のお話しです。
睡眠は、私たちが生きていくうえで欠かすことのできないものです。
本来睡眠中は、自律神経の副交感神経優位の状態で、リラックスし、疲れを回復している時間です。

ところが、口呼吸で寝ている場合はどうでしょう?

口呼吸によるからだの交換神経優位化を考えると、睡眠中に緊張状態が続いているということになります。それは、ゆっくりと疲れを回復することもできずに、疲れ感のままで起床につながります。体の疲れは、心臓への負担となり、高血圧になる可能性が上昇します。

睡眠時の口呼吸による他の病気

また、深い眠りを得れないことにより、日中の作業効率は低下し、重大な事故へとつながる可能性をはらんでいます。
このことは、現在クローズアップされている、睡眠時無呼吸症とも関連します。口呼吸の時は、舌は口の中で低い位置か、後ろにバックしています。それは、気道を狭窄させる原因となり、いびきの発生となります。その延長線上に、睡眠時の低呼吸・無呼吸が待ち構えています。

そうなると、からだは、酸素不足になり、循環機能(心臓の拍動亢進)に負担がかかり、不整脈、狭心症、心筋梗塞、等を悪化させることが明らかになっています。
このことから、睡眠中の口呼吸は、生命を脅かすリスクが上昇する要因となるのです。

参考文献 口の体操「あいうべ」 今井一彰先生

あいうべ体操普及活動

2016年3月1日 フリーペーパーChaiでの十勝歯科医師会発信

十勝歯科医師会で担当する地域医療部の事業で、地域での 「あいうべ体操」普及活動のための情報発信を担当しています。

PDFPDFでフリーペーパーChai掲載記事を見る(883KB)

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