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5分で測定できる唾液検査SMT:コラム/ますち歯科診療室 MASUCHI DENTAL CLINIC

SMT(Salivary Multi Test) 多項目短時間唾液検査システム(ライオン社)

お渡しする検査結果のシートには?)

 

6つの検査項目で何が解るのか?)

<歯の健康に関する項目>

1.むし歯菌の数

むし歯菌が多いと、歯の表面に歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯の健康を損なうことが知られています。

SMTでは、う蝕原性菌数との関連性が認められているグラム陽性菌群によるレサズリンの還元能を検出しています。

では、どうする?⇒

「プラークコントロール」を基本に「フッ化物を利用した予防」に重点を置きます。フッ化物の効果は、歯面強化です。
また細菌に対して積極的にアプローチをする方法に「食後にキシリトールガムを噛む」予防法(3~5分間)はお薦め!むし歯細菌は糖を吸収してそれをエネルギーに変え、酸を産生します。これがむし歯発生の現象ですが、このキシリトールは甘みはありますが、細菌のエネルギー回路に役立たず、細菌の酸産生能力を減弱させる効果があります。
また噛むことにより唾液線(唾液の産生工場)が刺激され、「唾液分泌の促進」が起こります。この唾液の細菌に対する抗菌・洗浄効果と歯質強化作用の恩恵も得られる予防法と言えます。

2.唾液の酸性度(歯が溶けやすい環境の有無)

唾液の酸性度が高いと、口腔環境は酸性になり、エナメル質などの歯質が溶解(脱灰)しやすいことが知られています。

SMTでは、pH指示薬の呈色変化から水素イオン量を検出しています。

では、どうする?⇒

食生活の中でのお菓子などの「糖分摂取の頻度や時間帯」はどうでしょうか?食事をとる事で唾液は酸性に傾きますが、再び中和する能力を有しています。しかしその中性へ揺り戻す時間にまた糖分を摂取したら・・・酸性が常態化してしまう大きなリスクとなります。甘いお菓子には、お水かお茶がおすすめの理由です。

また酸に対する歯質強化(脱灰抑制・再石灰化効果と耐酸性効果)には、前述のフッ化物予防の他に牛乳由来成分のリカルデント(CPP-ACP)ガムが有効です。食後のガムかみ予防法におすすめ!(溶出した歯面を修復する効果は、キシリトールより優れています)

3.唾液の緩衝能(歯が溶けるのを守る能力)

唾液には、むし歯菌や食物由来の酸を中和する機能(緩衝能)がありますが、その働きが弱いと、エナメル質などの歯質が溶解(脱灰)しやすいことが知られています。

SMTでは、一定量の酸存在下の複合pH指示薬の呈色変化から、酸に対する唾液の中和力を検出しています。

では、どうする?⇒

唾液分泌を促進!が有効打です。食事でよく噛む事を必要とする食材や調理方法。食後のガムかみ習慣で唾液を出しましょう!加えて顎の筋力も向上します。

<歯ぐきの健康に関する項目>

4.唾液中の白血球(口腔内の炎症の有無)

歯と歯ぐきの間で細菌や異物が増加すると、生体の防御作用により唾液中の白血球が増加することが知られています。

SMTでは、尿検査に用いられている試験紙の技術を応用し、白血球エステラーゼ活性を検出しています。

5.唾液中のタンパク質(細菌のバイオフィルムの程度)

口腔内細菌や、歯と歯ぐきの間にあるバイオフィルム(プラーク)の影響により、唾液中のタンパク質が多くなることが知られています。 SMTでは、尿検査に用いられている試験紙の技術を応用し、色素結合法により総タンパク質量を測定しています。

では、どうする?⇒

毎日のブラッシング等による「プラークコントロール」を基本として、定期的な診療室での「予防クリーニング」がおすすめとなります。 もちろん栄養バランスを取って免疫力を向上させることもお忘れなく!

<口腔清潔度に関する項目>

6.唾液中のアンモニア(口臭の原因)

口腔内の細菌総数が多いと、唾液中のアンモニアが多くなることが知られており、口臭等の原因になるといわれています。

SMTでは、血液検査で用いられている試験紙の技術を応用し、酵素サイクリング法によりアンモニアを検出しています。

では、どうする?⇒

「プラークコントロール」による細菌数の減少が基本ですが、口腔内の乾燥も大きな問題です。それには前述の「唾液をだす事」とともに口呼吸習慣による「唾液を蒸発させない事」も重要です。また唾液産生は自律神経に左右されていますので、緊張状態が続く交感神経優位の状況があるならば、休息・リラックスによる副交感神経優位を意識してみてはいかがでしょうか?

参考・引用)ライオン社SMTホームページ

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