舌の筋力”舌圧”って大事!:コラム/ますち歯科診療室 MASUCHI DENTAL CLINIC
1.舌の機能とは?
- 捕食:食べ物を認識し、口に入れる。この時は、上下口唇と歯を用いる。捕食したものは、舌で受け取り、温度や食物の物性を瞬時に感じ取る。
- 咀嚼:口に入れた食物を歯で咀嚼。このとき、舌は食物を上下の歯の間に移動させ、また噛み砕く時に、舌で食物を保持する。咀嚼によって粉砕された食物は口唇のすきまや舌の上にこぼれ落ちるが、舌はそれらの食物を拾い集め、再度咀嚼サイクルに食物を載せる。
- 嚥下:食物が唾液と混ぜ合わされ十分細かい「食塊」となると、舌はそれを咽頭に送り込む。咽頭から食道へ食物を送り込む際には、舌によって押し出される強い筋力が必要になる。この筋力を「舌圧」と呼ぶ。
2.舌の役割
3.舌の筋力「舌圧」をどう調べるのか?
4.舌機能と低栄養との関係は?
- 舌の運動範囲、運動速度が良好な人は舌圧が高値を示す
- 調整食を食べている、むせる、食べこぼしをする人は舌の運動機能が低下している
- 低栄養リスクのある人の舌圧は低い傾向にある
これらのことから、舌圧の低い人は、食事の際にむせる、食べこぼしなどをして食べ物をうまく摂取できず、結果として体内に栄養を十分取り入れることができないため低栄養に陥っていると考えられる。つまり舌の運動機能の良否がその人の栄養状態と関連しているのである。
栄養が十分摂取できないと、弱った筋肉が更に弱り、同時に舌の運動機能も落ちるため、ますます低栄養になる。そこで低栄養の予防には、全身の筋力強化と同様に、舌に対するリハビリテーションが必要になる。
引用)"施設入所高齢者にみられる低栄養と舌圧との関係",
老年歯科医学19(3): 161-168, 2004.
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