HOMEコラム>お口の瞬発力チェック「パタカ検査」とは?

お口の瞬発力チェック「パタカ検査」とは?:コラム/ますち歯科診療室 MASUCHI DENTAL CLINIC

はじめに

当診療室では、口腔機能検査の一つで「パタカ検査」を行っています。これは当診療室での患者さんに親しみやすいオリジナル呼称で、正式には「オーラルディアドコキネシス」といいます。

そのポイントは?

加齢によって身体機能は、個体差はありますが誰しも低下すると考えられています。高齢期での要介護状態に至る前段階には、フレイル(身体の虚弱)が上げられ、そのチェックと予防を含めた対応が必要とされ、更にそのフレイルの兆しの一つとして口腔機能の低下オーラルフレイルが認められるといわれています。そこで口腔機能において発音の瞬発力の診査が、オーラルフレイルチェックの一つの項目に上げられています。

検査の目的

オーラルディアドコキネシスとは、舌や口唇、軟口蓋などの運動の速度や巧緻性(巧みさ)を発音を用いて評価するものです。
「パ」「タ」「カ」という決まった音をなるべく早く、一定時間内に繰り返し発音し、その数やリズムの良さを評価します。
オーラルディアドコキネシスは主に高齢者の口腔機能向上の指標とされています。

「パ」「タ」「カ」の音の意味とは?

口唇を閉じたり開けたりする能力(捕食・咀嚼)
舌の前方部分を挙上させる能力(咀嚼)
舌の後方部分を挙上させる能力(嚥下)

検査の方法

「パ」「タ」「カ」の音を10秒間ずつ発音。そうすると検査結果(1秒間に発音した回数)が出てきます。最低でも1秒間に4.0回以上の正常発音が必要です。高齢ではない健常者の場合は、6.0回以上を目安としています。

補足

この測定でわかるのは、発音の回数とリズムの様子です。

構音障害において、仮性球痺による構音障害患者ではオーラルディアドコキネシスの速度は遅いが反復リズムは規則的であり、小脳疾患による構音障害患者では、速度も遅くリズムも不規則であるといわれています。

新潟大学歯学部の文献より参考

>>コラムのトップに戻る

バックナンバー
pagetop